ごあいさつ
少人数で家庭的な社員旅行で1泊2日だったけれど、まとまりのある中身の濃い、楽しい旅でした。
心に焼き付いたもの
私の心に焼き付いたものは蓼科高原の頂上にあるホテルに向かう道中!
季節は初夏。時間的には17時台だったと思う。バスの窓から見える景色は夕焼けでオレンジ色に染まり、進行方向に向かって走る車の眼前に左右から山々が迫ってきて、
ホテル到着
ホテルに着いてからの私はあまり出歩かず、友人に借りた超おもしろい推理小説を読みふけっていた。他の人達は、夜景を見に出かけたり、露天風呂で、はしゃいでいた。
蓼科高原の火口跡の美しい色の水
いつまでも見とれて、時間の経つのを忘れてしまう。ホテルでお土産を買って、帰りのバスに乗り込む。
バスは私達会社の者だけで、すいていたので、私は真ん中より少し後の窓際の席に一人で陣取った。
バスはゆっくりと走り出し、坂道をグルグル回りながら時には急カーブ、時にはスピードを上げたり下げたりしながら走っていく。バスの中に目をやると、上司や仲間達は、疲れ切って眠りこけている。
必ず窓際に座る私
私は車や電車等、乗り物を利用する時は必ず窓際に座るようにしている。
空と雲と太陽。緑の山々。赤や黄の花々・・・。
又、街の中ではビルの谷間にある古びた小さな一軒家。人々が行き交う商店街。等々、新しい発見があり、飽きる事が無く、楽しみが溢れている。
静かな走りのオートバイ
そんな私は、いつも通り周りの景色を楽しんでいた。窓から心地良い風が入ってくる。
すると丁度カーブに差しかかり、バスがスピードを落とした時に、黒っぽい制服のようなものに身を包んだ10人程の男性達がオートバイでスピードを落としながら、バスのすぐそばを走っていた。
私は思わず窓から身を乗り出し両手を振って「ガンバって~!」と叫んだ。
私はビックリして周りを見渡した。間違いなく私に敬礼している・・・・・・!?。
そのカッコ良さに圧倒された。どこの誰ともわからない、この私にどうしてそこまで礼儀を尽くすのだろうか。
このグループは一体、誰なんだろうか。自衛隊?警察?それともオートバイのツーリング愛好家の人達?
私は感動のあまり、風に吹かれながら、涙がちょちょぎれた・・・。
そしてバスが坂道を、ゆっくり走って行くにつれ、彼らの姿が次第に小さくなり、ついには黒い点となり消えて行った。私はいつまでも、いつまでも手を振っていた・・・。
あのグループは・・・。
今となってはこの事をしみじみ考えてみると、昔の時代だからこそ、あのようなことが可能だったのかな?と考えさせられる。